キロニー1軸倣い装置AVCの基本ガイダンス



写真(W・CAST−BOY1現場適用)

 AVCとは、アーク・ボルテージ・コントローラーの略で、「アーク電圧制御1軸倣い」のことです。

 キロニーAVCは、現在のアーク電圧と制御装置にて設定された基準電圧とを比較して、

トーチを搭載した電動スライドをワーク接近・後退方向に動作させアーク長を一定に保ち、

ワークの形状変化や変形を倣います。

 キロニーAVCは、数多くの実績と高い精度、操作・取り扱いの簡便さからの実用性を誇ります。

 基準電圧設定方式は、簡単で扱い易く、誤動作もありません。

 制御装置は、基準電圧設定に便利な大型電圧計(アナログメーター)を標準で装備しています。

 キロニーAVCは、標準状態で、溶接電源からの低周波パルス同期信号に対応することが出来ます。

 アーク発生時の高周波ノイズは、専用高周波フィルターによって、完全にカットされます。

 制御箱・高周波フィルター・電動スライドの各ユニットは、小型軽量化が図られており、

既設の自動溶接装置に後からでも簡単に付加することが出来ます。

 キロニーAVCは、TIG・プラズマアーク精密溶接/切断には必要不可欠な装置です。

 また、オプション設定の電流信号を電圧信号に変換する電流検出箱を付加すると、

「アーク電流制御」を行うACC(アーク・カレント・コントローラー)になり、

定電圧特性の炭酸ガス・MIG溶接などに応用できます。

 


キーワード

アーク ボルテージ コントローラー

rc  Voltage  Controler

(アーク 電圧   制御)

基準電圧値との比較

溶接電流一定

各内部・接触抵抗値一定

アーク現象一定

高周波フィルター


 一定電流及び一定環境に設定されたTIG・プラズマアーク溶接/切断において、

アーク電圧の変化は、アーク長変化に比例します。

 キロニーAVCは、高周波フィルターを通して、現在のアーク電圧を計測します。

 基準電圧値と現在のアーク電圧値との差が、設定アーク長からのズレの大きさを表します。

 基準電圧値は、制御装置にてあらかじめ設定しておきます。

 制御装置の基準電圧値の範囲は、適用溶接/切断方法により数種類有りますので、

適正のものを選択する必要があります。

 制御装置は、ズレが小さくなるように、電動スライドへ移動を指示し、トーチ位置修正を行 います。

 移動速度は、比例的にズレが小さければゆっくり指示され、ズレが大きければ、高速指示さ れます。

 この比例指示が、キロニーAVCのなめらかで高精度な動作の秘密です。

 この位置修正動作が、高速でなおかつ連続的に行われます。

 キロニーAVCは、使用電源の仕様に依存する要因があります。

 導入検討の際は、溶接電源のメーカー・機種・仕様を弊社までご連絡下さい。

 

 

図1 キロニーAVC動作原理説明

アースケーブル接触抵抗一定

キーワード

@

溶接電源内部抵抗一定

A

接触抵抗一定

B

C

パワーケーブル内部抵抗一定
消耗・長さにより変化するため管理必要!

D

トーチ内部の接触抵抗一定

E

電極材質・形状、ガス材質・流量、現場状況一定


図2 キロニーAVC応用例

注意:本ガイダンスは、基本事業の概要のみの説明です。
詳細や技術的内容につきましては、弊社担当者へお問い合わせいただくか、取扱説明書を参照下さい。


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